【追悼】2023 (92/141)

新劇俳優として長年、第一線で活動を続け、演劇界を支えた劇団民芸代表の奈良岡朋子(ならおか・ともこ)さんが3月23日午後10時50分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。93歳だった。 東京生まれ。父は洋画家の奈良岡正夫さん。自身も女子美術専門学校(現女子美術大学)に進んだが、在学中の1948年に民衆芸術劇場の研究生になり、初舞台を踏んだ。50年に劇団民芸創立に参加。以来、舞台を活動の軸にしながら、存在感のある演技で映画やドラマでも活躍し、NHK連続テレビ小説「おしん」などのナレーションでも知られた。2000年に、大滝秀治さんと共に劇団の共同代表になり、12年から1人で代表を務めていた。 舞台の代表作に「イルクーツク物語」(ワーリャ役)など。「ドライビング・ミス・デイジー」では仲代達矢さんとの共演が評判を呼んだ。昨年の朗読劇「ラヴ・レターズ」が最後の舞台になったという。 映画や演劇の賞を多数受賞。00年に勲四等旭日小綬章を受章した。 写真は1992年4月撮影 【時事通信社】