【追悼】2023 (22/141)

大相撲の元大関朝潮で、先代高砂親方として横綱朝青龍らを育てた長岡末弘(ながおか・すえひろ)さんが67歳で死去した。日本相撲協会関係者が11月3日明らかにした。 高知県室戸市出身。近畿大で史上初の2年連続アマチュア、学生横綱の2冠を獲得し、高砂部屋に入門した。1978年春場所、幕下付け出しで初土俵。同年名古屋場所で新十両、九州場所で新入幕とスピード出世し、入幕後に本名の長岡から師匠(元横綱朝潮)のしこ名「朝汐」(のち朝潮)に改名した。 80年夏場所で新三役。その後はやや足踏みしたが、ぶちかましと突き押しを武器に83年春場所後、大関に昇進し、85年春場所で悲願の優勝を果たした。89年春場所で引退するまで優勝1回、大関在位36場所。 北の湖に通算13勝7敗(1不戦勝を含む)と勝ち越すなど上位陣に強く、三賞は歴代4位に並ぶ14回(殊勲10、敢闘3、技能1)。金星5個。愛嬌(あいきょう)のある性格から「大ちゃん」の愛称で人気を集めた。 引退後は若松部屋を継承。2002年に合併して名門高砂部屋を継ぎ、朝青龍が横綱に昇進したが、トラブルも多く、10年に暴行問題を起こして引退した。朝乃山も大関に育てたものの、21年に日本相撲協会の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反して処分され、参与になっていた自身の違反も発覚し、協会を退職していた。写真は1985年撮影。初優勝し、賜杯を手に後援者らに祝福される大関朝潮 【時事通信社】