【追悼】2023 (139/141)

太平洋戦争末期の沖縄戦で、女学生の看護隊「白梅学徒隊」に動員され、悲惨な地上戦の経験を語り継いできた中山きくさんが1月12日、がんのため死去した。94歳だった。 1945年、沖縄県立第二高等女学校4年だった中山さんは、白梅学徒として沖縄本島南部の野戦病院で負傷兵の看護に当たった。米軍が迫り、日本軍が住民を巻き込みつつ南部へ撤退する中で学徒隊は解散。中山さんは手りゅう弾を手渡されたが、自決を思いとどまった。 戦後は記憶を共有するための語り部として、修学旅行生らに反戦を訴え続けた。米軍関係者によって繰り返される事件や事故への抗議活動にもたびたび関わった。写真は2017年12月撮影 【時事通信社】