【追悼】2023 (60/141)

大蔵省(現財務省)の財務官として、1985年に主要国が外国為替市場のドル高是正で合意した「プラザ合意」に立ち会った大場智満(おおば・ともみつ)氏が5月11日、心筋梗塞のため死去した。94歳だった。東京都出身。 東大法卒。53年大蔵省に入り、国際金融局長(現国際局長)を経て83年6月財務官に就任した。 85年9月、米ニューヨークのプラザホテルで開かれた日米英仏と旧西ドイツの先進5カ国(G5)による蔵相・中央銀行総裁会議に、竹下登蔵相や澄田智日銀総裁と参加。当時の米国は貿易と財政の巨額の「双子の赤字」を抱え、解消を促すためドル高是正に向けた合意をまとめた。 大場氏は、その後の協調市場介入の実務を取り仕切り、円の国際的な地位が大きく変わる転換点に立ち会った。退官後は国際金融情報センター理事長などを務め、国際金融の論客として活躍した。写真は15年撮影 【時事通信社】