【追悼】2023 (15/141)

創価学会(総本部・東京都新宿区)名誉会長で、公明党を結成した池田大作(いけだ・だいさく)氏が15日夜、老衰のため新宿区の学会施設で死去した。95歳だった。東京都出身。 巨大宗教団体の実質トップの死去は、同学会にとどまらず、公明党の組織運営にも影響しそうだ。 1928年、東京都大田区生まれ。19歳で創価学会入りし、第2代会長の故戸田城聖氏の下で手腕を発揮。同会長の事業を支えたほか、選挙を指揮するなどして頭角を現し、60年に32歳の若さで第3代会長に就任した。 会長就任後は国内外への組織拡大に努め、国内では会員数を75万世帯から827万世帯へ拡充。75年には創価学会インタナショナル(SGI)を発足させ、会員は192カ国・地域に上っている。 64年には学会内の公明政治連盟を分離して公明党を結成。67年の衆院選では一挙に25議席を獲得した。しかし69年に、学会と公明党が批判本の著者や出版関係者に出版や流通・販売取りやめを求めたとされる「言論出版妨害事件」が明るみに出て批判を浴びたことから、「政教分離」を表明した。74年には共産党の宮本顕治委員長(当時)との間で、共存を認め合う「創共協定」(その後解消)を結び、話題を呼んだ。 一方、組織拡大に伴い、宗門である日蓮正宗総本山大石寺(静岡県富士宮市)と対立。池田氏が79年に名誉会長に退くことで修復を図ったが、学会は91年に破門となり、断絶状態が続いている。 名誉会長就任後は実権を掌握しながら、SGI会長として各国を訪問。2008年5月には来日した中国の胡錦濤国家主席(当時)と会談した。10年5月に学会行事の「本部幹部会」に参加したのを最後に、公の場には姿を見せていなかった。写真は2007年撮影 【時事通信社】