【追悼】2023 (25/141)

中国国営中央テレビによると、李克強前首相が10月27日午前0時10分(日本時間同1時10分)、死去した。68歳だった。上海で休養中に突発性の心臓病にかかり、「全力で救命措置が行われたが効果がなかった」(同テレビ)という。国営メディアによる死去の発表は簡潔で、公式の訃報は後日発表されるとしている。 李氏は2007年に最高指導部入りし、副首相に就任。習近平指導部で党序列ナンバー2となり、13年に首相に昇格した。北京大学で博士号を取得した李氏は首相就任当初、手腕が期待され、特に経済政策は「リコノミクス」と呼ばれ国内外で注目された。しかし、習国家主席が権力基盤を固めるにつれ影が薄れた。習氏の3期目入りに伴い、要職に残るという見方もあったが、今年3月の2期目の任期満了に伴い退任した。 李氏は、エリート養成組織とされた共産主義青年団(共青団)のトップだった胡錦濤元国家主席に見いだされ、後に自身も共青団を率いた。習氏は共青団の影響力排除に力を入れ、李氏を人事で冷遇。路線対立による両氏の確執も指摘され、昨年10月の党大会で慣例的な引退年齢の68歳に達していなかったにもかかわらず、李氏は最高指導部から退いた。 写真は、中国全国人民代表大会(全人代)開幕式で政府活動報告を読み上げる李克強氏=3月5日、中国・北京 【EPA時事】