【追悼】2023 (28/141)

人気バンド「アリス」のリーダーで、ソロとしても「昴(すばる)」などのヒット曲があるシンガー・ソングライターの谷村新司(たにむら・しんじ)さんが10月8日死去した。74歳だった。所属事務所が16日、発表した。3月に腸炎の手術をし、療養中だった。 大阪府出身。神戸の音楽サークルで堀内孝雄さんと知り合い、2人がギターとボーカルを兼務し、アリスを結成。1972年に「走っておいで恋人よ」でデビューした。直後に旧知のドラマー、矢沢透さんが加わり、3人組に。谷村さんが詞曲を手掛けた「涙の誓い」「チャンピオン」、谷村さん作詞、堀内さん作曲の「冬の稲妻」「ジョニーの子守唄」などを次々とヒットさせた。 並行してソロ活動も開始。80年に発表した「昴」は中国でも注目を集め、2010年の中国・上海万博では開会式で同曲を歌った。音楽を通じた中国との親善活動に力を入れ、上海音楽学院常任教授も務めた。 山口百恵さんが歌って大ヒットした78年の「いい日旅立ち」など、他の歌手への楽曲提供も精力的に行った。加山雄三さんと共作した日本テレビ「24時間テレビ」のテーマ曲「サライ」も長く歌い継がれてきた。 アリスは81年に活動を休止したが、87年から断続的に再開。昨年11月にも50周年記念コンサートを開催していた。 「セイ!ヤング」(文化放送)などのラジオ番組では長年DJを務め、フランクな語りで「チンペイさん」の愛称でも親しまれた。15年に紫綬褒章を受けた。写真は2015年撮影 【時事通信社】