【追悼】2023 (5/141)

大相撲の元関脇寺尾として人気を集め、息の長い活躍ぶりを「鉄人」と称された錣山親方(本名福薗好文=ふくぞの・よしふみ)が死去したことが12月17日、分かった。60歳だった。関係者によると心疾患を抱えており、体調を崩しがちだった。 鹿児島県出身。1979年名古屋場所で、父の元関脇鶴ケ嶺が師匠の井筒部屋から初土俵を踏み、85年春場所新入幕。体重110キロ台の軽量ながら、回転のいい突っ張りを武器に出世した。 長兄は元十両鶴嶺山、次兄は元関脇逆鉾という「井筒3兄弟」の末弟。89年春場所で新関脇に昇進し、逆鉾とともに史上初の兄弟同時関脇として話題に。以来、三役を通算13場所務め、端正な顔立ちときっぷのいい取り口で角界屈指の人気力士となった。 金星は7個、三賞は殊勲3回、敢闘3回、技能1回。通算出場1795回と幕内連続出場1063回はともに歴代4位で、通算860勝は同10位。 2002年秋場所を最後に39歳で現役を引退し、年寄「錣山」を襲名。04年に部屋を興してからは元小結豊真将、22年九州場所で初優勝を果たした阿炎らを育てた。写真は1999年撮影 【時事通信社】