2023.10.03
人物･歴史
【追悼】2023 (64/141)
江戸末期のはたごを舞台にした人情物語「御宿（おんやど）かわせみ」シリーズなどで知られる作家の平岩弓枝（ひらいわ・ゆみえ）さんが６月９日、間質性肺炎のため東京都内の病院で死去した。９１歳だった。 １９３２年、東京都生まれ。日本女子大を卒業後、作家の長谷川伸や戸川幸夫に師事した。５９年、偽名で高価な刀剣に仕立て上げる鏨（たがね）師と鑑定家の対決を描いた「鏨師」で、直木賞を戦後最年少（当時）で受賞。「日本のおんな」をはじめ、女性の生きざまをテーマにした小説を多く執筆するなど、大衆文学作家として名をはせた。８７年には田辺聖子さんとともに女性初の直木賞選考委員に就任、以降２３年間務めた。 テレビドラマや舞台の脚本家としても活躍。「ありがとう」「肝っ玉かあさん」シリーズなど数々のヒット作を手掛けた。ＮＨＫ放送文化賞や菊田一夫演劇大賞を受賞。９１年「花影の花」で吉川英治文学賞、９８年には菊池寛賞を受けた。２０１６年、文化勲章受章。写真は１６年１１月撮影 【時事通信社】
