【追悼】2023 (57/141)

小説「存在の耐えられない軽さ」などの作品で知られるチェコスロバキア(現チェコ)出身の作家ミラン・クンデラさんが7月11日、フランス・パリ市内で死去した。94歳だった。ルモンド紙(電子版)が12日、仏出版社ガリマールの情報として伝えた。長く病気を患っていたという。ノーベル文学賞に近い作家と言われ続け、AFP通信は「(現在の)世界文学で最も偉大な一人」だと伝えた。 1929年、チェコ東部ブルノ生まれ。プラハの大学で文学などを学び、67年の初の長編小説「冗談」が高い評価を得た。しかし、68年に起きた民主化運動「プラハの春」が旧ソ連の武力介入で弾圧された後、チェコ国内で著作が発禁処分となり、活動の場を失った。 75年にフランスへ移り、北西部レンヌの大学で比較文学を教えた。79年に祖国の国籍を剥奪され、81年に仏国籍を取得。「プラハの春」を時代背景とした84年の恋愛小説「存在の耐えられない軽さ」は世界的ベストセラーとなり、その後映画化された。(パリ時事) 写真は2005年5月、マドリードで。 【EPA時事】