【追悼】2021 (25/209)

南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離)の撤廃に大きな役割を果たし、ノーベル平和賞を受賞したフレデリク・デクラーク元大統領が11月11日、がんのため南部ケープタウンの自宅で死去した。85歳だった。FWデクラーク財団が発表した。 財団は声明で「がんとの闘いの末、11日朝に自宅で静かに息を引き取ったことを、深い悲しみと共にお知らせする。葬儀に関しては追って遺族から発表される予定だ」と述べた。 ヨハネスブルク生まれ。弁護士を経て与党・国民党の下院議員となり、1989〜94年、白人体制最後の大統領を務めた。東西冷戦が終わる中、時代の節目を担ったデクラーク氏は、黒人融和政策を推進。国家反逆罪などによる終身刑で服役していた反アパルトヘイト闘争の英雄ネルソン・マンデラ氏を釈放したほか、人種登録法、集団地域法などアパルトヘイト法を全廃した。 94年に全人種選挙を経て発足したマンデラ政権下では、ターボ・ムベキ氏(99〜2008年に大統領)と共に副大統領を務めたが96年に辞任。97年、政界から引退した。 ノーベル賞は93年、マンデラ氏と共同で受賞した。マンデラ氏も13年、95歳で死去している。写真は2018年撮影 【AFP時事】