【追悼】2021 (147/209)

演出家の故蜷川幸雄さんと組んだ詩情あふれる作品で知られる劇作家の清水邦夫(しみず・くにお)さんが4月15日午後0時46分、老衰のため死去した。84歳だった。新潟県出身。 早大在学中に発表した戯曲「署名人」でデビューし注目された。1960年代後半から蜷川さんとコンビを組み、「真情あふるる軽薄さ」「狂人なおもて往生をとぐ」などの話題作を次々と発表。全共闘世代の若者らの支持を集めた。 74年には「ぼくらが非情の大河をくだる時」で岸田国士戯曲賞を受賞。妻で俳優の故松本典子さんらと結成した演劇企画集団「木冬社」でも創作活動を続けた。 他の作品に「楽屋」「タンゴ・冬の終わりに」など。「わが魂は輝く水なり」(80年)で泉鏡花文学賞、「エレジー」(83年)で読売文学賞を受賞した。 【時事通信社】