【追悼】2021 (59/209)

歴史学者で東京経済大名誉教授の色川大吉(いろかわ・だいきち)さんが9月7日、老衰のため死去した。96歳だった。千葉県出身。 東京大を卒業後、中学校教師などを経て、東京経済大教授に。東京・多摩の地元歴史家らと「多摩史研究会」を結成するなど、徹底したフィールドワークで地域史や民衆思想史を掘り起こし、1968年には、明治時代に民間有志によって作られた「五日市憲法草案」の発見につながった。 日本近代史や文化史、思想史などが専門で、「明治精神史」「近代国家の出発」など著書多数。毎日出版文化賞を受賞した「ある昭和史―自分史の試み」は、市民が個人史を書き起こす「自分史ブーム」を巻き起こした。写真は94年撮影 【時事通信社】