【追悼】2021 (156/209)

国民的人気を集めた「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」など数多くのテレビドラマを手掛けた脚本家の橋田壽賀子(はしだ・すがこ、本名岩崎壽賀子=いわさき・すがこ)さんが4月4日午前9時13分、急性リンパ腫のため、静岡県熱海市の自宅で死去した。95歳だった。京城(現ソウル市)生まれ、堺市育ち。 日本女子大卒。1949年、松竹に入社後、脚本部に所属。59年にフリーに。NHK大河ドラマの「おんな太閤記」(81年)や「いのち」(86年)、「春日局」(89年)、NHK連続テレビ小説「おしん」(83〜84年)、TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(90年〜)など、女性の視点に立った話題作を次々に生み出した。 特に、山形の貧しい農家に生まれ育った女性の生涯を描いた「おしん」は平均視聴率52.6%、最高62.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。「おしん」ブームを巻き起こし、海外でも多くの国で放送された。 人間の感情のすべてが集約されているとしてホームドラマを描き続け、88年に紫綬褒章を受章。2015年、テレビ脚本家として初の文化功労者に選ばれ、昨年は文化勲章を受章した。写真は2015年撮影 【時事通信社】