【追悼】2021 (154/209)

「天使シリーズ」などの推理小説やスパイ小説を数多く手掛けた直木賞作家の三好徹(みよし・とおる、本名河上雄三=かわかみ・ゆうぞう)さんが4月3日午前6時20分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため東京都内の自宅で死去した。90歳だった。 東京都生まれ。横浜高等商業学校(現・横浜国立大)卒。1950年に読売新聞に入社し、記者を務める傍ら小説を書き始めた。59年「遠い声」が文学界新人賞の次席となり、翌年に政界が舞台の推理小説「光と影」を発表した。 66年に読売新聞を退社し、執筆活動に専念。67年に国際スパイ小説「風塵地帯」で日本推理作家協会賞、翌年には家庭裁判所の調査官を描いた「聖少女」で直木賞を受賞した。新聞社の地方支局の警察担当記者が主人公の「天使シリーズ」は40作以上発表し、人気を集めた。「チェ・ゲバラ伝」「評伝緒方竹虎」などの評伝も高く評価された。 【時事通信社】