素粒子物理学の分野で、宇宙誕生の謎を解明する先駆的な理論を提唱し、2008年のノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授の益川敏英(ますかわ・としひで)さんが7月23日、上顎歯肉がんのため、京都市内の自宅で死去した。81歳だった。 宇宙が138億年前にビッグバンで誕生した際、現在ある物質と、電気のプラスとマイナスに加え空間の左右も逆の「反物質」が同じだけできたのに、現在は物質しか残っていない。 益川さんは、物質の最小単位である素粒子のクォークが3種類しか見つかっていなかった73年、6種類存在すると予言。高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授の小林誠さん(77)と共に、6種類存在すれば反物質が消えたことが説明できるとする「小林・益川理論」を提唱した。写真は2015年撮影 【時事通信社】
2021.12.07
人物・歴史
【追悼】2021 (83/209)
素粒子物理学の分野で、宇宙誕生の謎を解明する先駆的な理論を提唱し、2008年のノーベル物理学賞を受賞した京都大名誉教授の益川敏英(ますかわ・としひで)さんが7月23日、上顎歯肉がんのため、京都市内の自宅で死去した。81歳だった。 宇宙が138億年前にビッグバンで誕生した際、現在ある物質と、電気のプラスとマイナスに加え空間の左右も逆の「反物質」が同じだけできたのに、現在は物質しか残っていない。 益川さんは、物質の最小単位である素粒子のクォークが3種類しか見つかっていなかった73年、6種類存在すると予言。高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授の小林誠さん(77)と共に、6種類存在すれば反物質が消えたことが説明できるとする「小林・益川理論」を提唱した。写真は2015年撮影 【時事通信社】