【追悼】2020 (83/186)

「西部警察」など数々のテレビドラマや映画で活躍した俳優の渡哲也(わたり・てつや、本名渡瀬道彦=わたせ・みちひこ)さんが8月10日午後6時30分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。78歳だった。兵庫県出身。俳優の故渡瀬恒彦さんは弟。 大学在学中の1964年に浅丘ルリ子さんの相手役に応募したのをきっかけに日活入り。映画「あばれ騎士道」でデビュー、「東京流れ者」「紅の流れ星」に主演するなど、石原裕次郎さんや小林旭さんに続くアクション俳優に。主演した「無頼」シリーズがヒットし、スターの座を築いた。 71年、裕次郎さんを慕って石原プロモーションに入社。75年に主演した映画「仁義の墓場」は代表作の一つとなった。76年に始まった刑事ドラマ「大都会」や79年からの「西部警察」シリーズに「石原軍団」のメンバーらと出演して人気を集めた。「浮浪雲」などの話題作にも出演した。 歌手として歌った「くちなしの花」は74年に大ヒットし、NHK紅白歌合戦に出場した。 91年に直腸がんの手術を受けたが復帰し、その後も渋い中高年役として存在感を発揮。約30年ぶりに吉永小百合さんと共演した98年の映画「時雨の記」や、2005年の主演ドラマ「熟年離婚」も話題を呼んだ。 裕次郎さんの死後、石原プロの社長を引き継ぎ、11年にいったん退任したものの、17年に相談取締役として復帰。同プロは21年1月に芸能マネジメント業務を取りやめ、規模を縮小する予定だった。 05年紫綬褒章。13年旭日小綬章。写真は13年撮影 【時事通信社】