東西冷戦期を中心としたスパイ小説で知られた英作家ジョン・ル・カレ氏(本名デビッド・コーンウェル)が12月12日夜、英南西部コーンウォール地方の病院で死去した。89歳。死因は肺炎。代理人が13日、明らかにした。 1931年、ドーセット州生まれ。オックスフォード大卒業後、英国内情報機関、保安部(MI5)に入り、後に対外機関の秘密情報部(MI6)に転属。旧西ドイツの英大使館では書記官の肩書で情報活動を行った。 61年「死者にかかってきた電話」で小説家デビュー、63年の「寒い国から帰ってきたスパイ」で世界的名声を博した。その後も「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」などの傑作で地位を不動のものにした。2019年、欧州連合(EU)からの離脱をめぐって揺れる英国を舞台にMI6担当官の活躍を描いた「エージェント・ランニング・イン・ザ・フィールド(邦訳 スパイはいまも謀略の地に)」を発表、遺作となった。写真は2020年1月撮影 【EPA時事】
2020.06.11
人物・歴史
【追悼】2020 (11/186)
東西冷戦期を中心としたスパイ小説で知られた英作家ジョン・ル・カレ氏(本名デビッド・コーンウェル)が12月12日夜、英南西部コーンウォール地方の病院で死去した。89歳。死因は肺炎。代理人が13日、明らかにした。 1931年、ドーセット州生まれ。オックスフォード大卒業後、英国内情報機関、保安部(MI5)に入り、後に対外機関の秘密情報部(MI6)に転属。旧西ドイツの英大使館では書記官の肩書で情報活動を行った。 61年「死者にかかってきた電話」で小説家デビュー、63年の「寒い国から帰ってきたスパイ」で世界的名声を博した。その後も「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」などの傑作で地位を不動のものにした。2019年、欧州連合(EU)からの離脱をめぐって揺れる英国を舞台にMI6担当官の活躍を描いた「エージェント・ランニング・イン・ザ・フィールド(邦訳 スパイはいまも謀略の地に)」を発表、遺作となった。写真は2020年1月撮影 【EPA時事】