【追悼】2020 (7/186)

日本で大ベストセラーとなった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(1979年出版)著者で、米国屈指の知日派として知られるエズラ・ボーゲル・ハーバード大学名誉教授が12月20日、マサチューセッツ州ケンブリッジの病院で死去した。90歳だった。手術後に急逝したという。ハーバード大のクリスティーナ・デイビス日米関係プログラム所長が明らかにした。 30年、オハイオ州生まれ。58年にハーバード大で社会学博士号を取得。その後2年間、日本で研究を行った。67年に同大教授に就任し、同大東アジア研究所所長などを歴任。93年から2年間、クリントン政権下で国家情報会議(NIC)の東アジア担当情報官を務めた。 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は高度経済成長の要因として日本的経営や高い学習意欲に焦点を当てた内容で、日米貿易摩擦が激化する中、日本の強みを分析した。日本語に加え中国語も堪能で、2013年に「現代中国の父 トウ小平」(日本語版)を出版した。 18年12月には時事通信のインタビューで「米中関係は過去40年で一番悪い」と懸念。「日本は、米中の間に橋を渡すことができるかもしれない」と述べ、日本の役割に期待感を示していた。 高校、大学時代に米国に留学していた皇后さまとも交流があった。写真は2015年撮影 【時事通信社】