【追悼】2020 (66/186)

三井住友銀行頭取や日本郵政社長を歴任し、「最後のバンカー」と呼ばれた西川善文(にしかわ・よしふみ)氏が9月11日、死去した。82歳だった。奈良県出身。 1997年に住友銀行頭取に就任。強力なリーダーシップで不良債権処理を進める一方、三井グループのさくら銀行との合併を主導し、旧財閥の壁を越えた金融再編を実現した。2001年に三井住友銀行の初代頭取となり、翌年から05年6月に退任するまで三井住友フィナンシャルグループ社長を兼任した。住銀時代を含め、全国銀行協会の会長を2度務めた。 こうした実績を買われ、民営化で07年10月に発足した日本郵政の初代社長に就任。早期の株式上場を目指し、関係法人の整理や収益力の強化に取り組んだ。しかし、保養・宿泊施設「かんぽの宿」売却をめぐる経緯が不透明だと批判を浴び、政権交代で郵政民営化路線も見直されて、09年10月に辞任に追い込まれた。写真は07年撮影 【時事通信社】