【追悼】2020 (186/186)

米プロバスケットボール協会(NBA)のコミッショナーを長く務めたデービッド・スターン氏が77歳で死去した。NBAが1月1日に発表した。昨年12月に脳出血で手術を受け闘病中だった。 弁護士のスターン氏は1984年にNBAのコミッショナーに就任。2014年まで歴代最長の30年間、同職を務めた。リーグの拡張、テレビ放映の拡大、NBAスター選手の五輪出場、日本での公式戦実施などの世界的な普及活動に加え、下部リーグや米女子プロリーグ(WNBA)の創設に尽力した。 30年間にわたって同職でリーグの改革を主導し、世界的な人気スポーツに発展させたリーダーの死に際し、スター選手ら多くの関係者が哀悼の言葉を寄せた。 就任後は人気低迷で多くの球団が赤字を抱え、労使紛争や選手の薬物問題がくすぶっていたリーグの改革に乗り出した。年俸総額の上限を決めるサラリーキャップ制を導入し、国内外のテレビ放映を拡大。世界的な普及にも積極的で、90年には初めて日本で公式戦が開催された。 80年代からのスーパースター登場も、時に「独善的」と言われた改革を大きく後押しした。コミッショナーに就いた84年のドラフトを経てマイケル・ジョーダンがブルズに入団。世界的な人気を集め、NBAを象徴する存在となった。ジョーダン氏は1日に声明を発表。「彼のビジョンとリーダーシップが私に国際的な舞台を与え、成功に導いてくれた。彼がいなければ、今の私はなかったかもしれない」 アダム・シルバー現コミッショナーは「レジェンドと呼ばれる選手たちのように、デービッドには類いまれな才能があり、常に準備、注意深さ、勤勉さという基本を忘れなかった」とコメント。NBAを現在の姿に発展させた功労者をたたえた。写真は13年撮影 【AFP時事】

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