【追悼】2020 (123/186)

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父で、拉致被害者「家族会」元代表の横田滋(よこた・しげる)さんが6月5日、老衰のため死去した。87歳だった。 1932年徳島県生まれ。日本銀行名古屋支店勤務時に妻早紀江さん(84)と結婚し、64年に長女めぐみさんが誕生。転勤先の新潟市で77年11月15日、めぐみさんが失踪した。 日銀を定年退職した後、97年にめぐみさんが北朝鮮に拉致されたと判明したことを受け、全国の拉致被害者家族らと「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)を結成。自ら代表に就任し、早紀江さんとともに救出を訴える署名集めを始めた。 全国各地で活動を続けてきたが、2005年ごろから体調が悪化。07年には胆のうの摘出手術を受け、家族会代表も退任した。これ以降も活動は継続し、講演会は1300回を超え、13年4月には、目標だった1000万人の署名を集めた。 14年3月には、めぐみさんの娘キム・ウンギョンさんとモンゴルで初めて面会した。 18年4月に体調不良で入院して以降、集会などを欠席しており、19年5月に来日したトランプ米大統領と拉致被害者家族との面談にも姿を見せなかった。写真は2014年撮影 【時事通信社】