【追悼】2020 (50/186)

華やかな色や柄使いのブランド「ケンゾー」の創始者で、世界的に有名なファッションデザイナーの高田賢三(たかだ・けんぞう)さんが10月4日、新型コロナウイルスに感染後、パリ郊外の病院で死去した。81歳だった。 兵庫県出身。1958年、男性に門戸を開いたばかりの文化服装学院に入学。翌年進んだ同学院デザイン科には、後に「花の9期生」と呼ばれる「ニコル」の故松田光弘さん、コシノジュンコさん、「ピンクハウス」の金子功さんら日本を代表するデザイナーの卵が集まっており、互いに刺激を与え合う良きライバルになる。 婦人服メーカーのデザイナーを経て、65年渡仏。70年にパリに自分のブティックを開いた。ファッション界がオートクチュール(高級注文服)からプレタポルテ(既製服)に移行する時期で、鮮やかな花柄や重ね着、民俗調のフォークロアなど新風を吹き込み、世界中で高い評価を得た。 84年、仏政府の芸術文化勲章(シュバリエ)、2016年にレジオン・ドヌール勲章(シュバリエ)を受章。東京などでもファッションショーを開いた。 99年、紫綬褒章を受章。同年、春夏コレクションと、ブランド30周年を集大成したファッションショーを最後にケンゾーを離れ、独立。その後も新ブランドを設立したり、04年のアテネ五輪日本選手団のユニホームをデザインしたりするなど活躍した。写真は16年8月撮影 【時事通信社】