【将棋】史上最年少プロ棋士・藤井聡太 (175/248)

新記録の29連勝を達成した後、記者会見で報道陣から贈られた記念品を手に笑顔を見せる藤井聡太四段=東京都渋谷区【時事通信社】 29連勝という前人未到の大記録を打ち立てた藤井聡太四段(14)。彼の成長を間近で見守ってきた指導者らによると、その強さの源泉は、「才能」「努力」「負けん気」という勝負師が持つべき資質が常人離れしたレベルで三拍子そろっていることにあるようだ。 「聡太は最初の1年で20級から4級まで上がってしまいました。これは限りなく初段に近い上級者のレベル。とてつもない逸材でしたね」。藤井四段が5歳から通った愛知県瀬戸市の「ふみもと子供将棋教室」を主宰する文本力雄さん(62)は、傑出した才能に度肝を抜かれたという。 しかも、その才能を磨くことに夢中になっていく。「幼稚園の時は週3日、小学生になったら週4日、皆勤で通いました。体の細胞が将棋でできているような熱中ぶりでした」と文本さん。加えて尋常ではない負けず嫌い。藤井四段の師匠の杉本昌隆七段(48)は「小さい頃は、負けたらよく泣いていました。それも号泣するような泣き方で」と笑う。 「普通は、才能があってもあまり努力しなかったり、根性がちょっと淡泊だったりするものなのですが、聡太には全部備わっています。常に私の予想のはるか上を行く弟子なのです」と杉本七段。勝負師の資質を生まれ持った僥倖(ぎょうこう)を磨き続ける将棋の申し子は、一体どこまで行くのだろう。(2017年06月26日)