【追悼】2022 (82/150)

財務相や旧民主党税制調査会長を務め、消費税増税を推進した藤井裕久(ふじい・ひろひさ)元衆院議員が7月10日午前、東京都内の自宅で死去した。90歳。東京都出身。 旧大蔵省を経て、1977年の参院選旧全国区で自民党から初当選。2期務めた後、90年に衆院議員となり、7回当選を重ねた。93年には小沢一郎氏とともに政治改革を掲げて自民党を離党し、旧新生党結党に参加。非自民連立政権の細川、羽田両内閣で蔵相を務めた。 小沢氏の懐刀として、旧新進、旧自由両党でも行動を共にし、2003年の「民由合併」で民主党に合流。岡田克也代表の下で幹事長を務めた。05年の郵政選挙で落選したが、07年に比例代表で繰り上げ当選した。高齢を理由にいったん引退を表明したものの、民主党が大勝した09年衆院選でも比例で再選され、民主党政権に参画した。 鳩山内閣では財務相に就任。財源不足から選挙で公約した子ども手当の半額への圧縮を余儀なくされた。体調不良で財務相を退任したが、後継の菅内閣では、官僚ににらみの利く重鎮として官房副長官や首相補佐官に起用された。 野田内閣では、消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」を党税調会長としてけん引。後に離党した小沢氏らとの激しい党内抗争を経て、消費税率を5%から、8%、10%へと2段階で引き上げる12年8月の関連法成立に尽力した。 12年12月の衆院選に出馬せず、政界を引退。その後も党の勉強会で講師を務めたり、テレビの討論番組に出演したりと、ご意見番として発信を続けた。安全保障関連法に反対を表明していた。写真は2020年撮影 【時事通信社】