【追悼】2022 (21/150)

ITバブル崩壊後の難局に大胆な社内改革を進めた元松下電器産業(現パナソニックホールディングス)社長の中村邦夫(なかむら・くにお)氏が11月28日、肺炎のため大阪府守口市の病院で死去した。83歳だった。滋賀県出身。 大阪大経済学部卒業後、1962年松下電器入社。2000年に6代目の社長に就任し、06年6月会長、12年6月に退任して相談役。07年5月から4年間、経団連副会長も務めた。 ITバブル崩壊を背景に、松下電器の純損益が02年3月期連結決算で4000億円を超える大幅赤字に転落すると、社長として1万3000人の希望退職や生産拠点の統廃合を主導した。製品ごとに独立採算で経営する「事業部制」は創業者の松下幸之助氏が考案した仕組みだったが、無駄が多いとして廃止。グループの主要5社を完全子会社化して事業を再編するなど聖域なき改革を断行し、業績をV字回復させた。写真は04年撮影 【時事通信社】