全米オープンの最終ラウンドの18番でバーディーパットを沈める松山英樹。この日は8バーディー、2ボギーの66と再び猛チャージ。通算12アンダーで2位に入った=米ウィスコンシン州エリン【EPA=時事】 男子ゴルフのメジャー第2戦、全米オープン選手権は18日に終了し、松山英樹が通算12アンダーの276と猛追を見せ、1980年の青木功に並ぶ日本男子メジャー最高の2位に入った。2月から続いていた不振を脱し、メジャー初制覇へ「チャンスが増えてきている」と大きな手応えをつかんだ。 首位から6打差で迎えた最終日。優勝したブルックス・ケプカ(米国)より約1時間前に回り、ホールアウト時は1打差。これまでもメジャーで上位に入ったことはあるが、終盤までリーダーボードに名前を載せた優勝争いは初めてだった。 初日は74と出遅れたが、ショット、パットとも上向いた第2ラウンドは65。第3ラウンドに71で順位を下げたが、最終日は8バーディー(2ボギー)を奪って66と、2度その日のベストスコアを出した。 メジャーで勝つにはパットの改善が必要とみられていたが、別の可能性が見えた。最終日は強風でもショットの精度が抜群で、思い通りに打てるとパットのリズムも良くなり、1〜2メートルは外さなかった。一番の長所であるアイアンショットさえ良ければ、誰よりも良いスコアを出す力があることを証明した。 あとは、悪い日の落ち込みをいかに少なくするか。「やっぱり初日と3日目のスコアが悔しい」。ケプカは4日間全てアンダーパーだった。 不調の間は微調整でしのいでいたショットだが、今月初めのメモリアル・トーナメントの後に大きく変えた。「いいショットの回数が増えてきた。それをもっと自信を持ってできるようになれば、チャンスもある」。世界ランキングも日本選手最高の2位に上がり、頂点は確実に近づいている。◇松山との一問一答 男子ゴルフの全米オープン選手権で日本男子の最高成績に並ぶ2位に入った松山英樹との一問一答は次の通り。 −最終ラウンドは。 残念ながら優勝はできなかったけど、いいプレーができた。ショットが良かったおかげで楽にプレーできた。 −終わってからはどこで見ていた。 クラブハウスで見ていたが、ブルックス(ケプカ)はいい友達だし、本当にいいプレーをしていた。次の試合では負けないように頑張りたい。 −メジャー優勝のために何が必要か。 2日間いいプレーができた。あとの2日の良くない日を、もう少しいいスコアで回れればチャンスは増える。ここまで上位にこられて、チャンスはすごく増えてきている。 −優勝を逃し、悔しい気持ちは。 初日と3日目が良くなかったのが残念。もう少しいいプレーができたんじゃないかという気持ちは強い。準備の段階から少し変えていかないといけないのかなと感じた。 −メジャー第3戦の全英オープンに向けて。 ショットに関しては、いいものがつかめそうな雰囲気は出ている。それを練習で詰めて、いかに次の試合に生かして全英に行くか。あまり休まず練習したい。◇青木氏「継承されていく」 松山の2位は日本男子としてのメジャー最高成績(シニアを除く)で、1980年全米オープンの青木功以来2人目。37年前にジャック・ニクラウスと死闘を繰り広げて2位となった現日本ゴルフツアー機構会長の青木氏は、「俺もやったんだなって気がする。今度は松山に継承されていくのかもな」と目を細めた。 テレビ解説の仕事で現場を訪れていた青木氏は、第3ラウンド後には練習場へ向かった松山と話し込む場面もあった。アプローチが一番の武器としつつ、パットの能力にも驚かされたようで、「平衡感覚がずばぬけていい。ぱっと見てフック、スライスと分かる。だから入り始めるとぽんぽん入る」と後輩の才能に舌を巻いた。(エリン時事)(2017年06月18日)