記者会見するフィギュアスケートの羽生結弦。プロ転向を発表した=2022年7月19日、東京都港区【時事通信社】 フィギュアスケート男子で2014年ソチ、18年平昌と五輪連覇を遂げ、世界選手権も2度制した羽生結弦(27)=ANA=が19日、現役引退を表明した。東京都内で開いた記者会見で「プロのアスリートとしてスケートを続けていくことを決意した。これから競技会に出るつもりはない」と述べた。 平昌五輪での連覇は男子66年ぶりの快挙で、18年7月には個人最年少で国民栄誉賞を受賞した。今年2月の北京五輪はショートプログラム(SP)8位と出遅れ、フリーで前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に五輪史上初めて挑んだが回転不足で転倒。合計4位に終わり、94年ぶりの3連覇を逃した。 羽生は流れるようなジャンプを跳び、技術、表現とも高い水準の演技で長く活躍した。4回転ジャンプは自身が初めて成功させたループを含む4種類を大会で決め、過熱した争いを引っ張った。 09〜10年シーズンにジュニア・グランプリ(GP)ファイナルと世界ジュニア選手権を制し、シニアでは12年に初出場の世界選手権で3位に入って頭角を現した。ソチ五輪で世界王者のパトリック・チャン(カナダ)を破って日本男子初の金メダルを獲得。13〜14年はGPファイナル、世界選手権との3冠に輝いた。 GPファイナルは16年まで4連覇し、17年に世界選手権で2度目の優勝。平昌五輪は大会の約3カ月前に右足首の靱帯(じんたい)を痛めながらもリハビリの末に復帰し、連覇を遂げた。