古代生物想像図鑑 (38/38)

中国甘粛省の約250万年前の地層から見つかった頭骨化石を基にした甘粛省トラの祖先とみられる新種の想像図[米誌プロス・ワン提供]。上海科学技術館や英スコットランド国立博物館などの研究チームが2011年10月18日までに米科学誌プロス・ワンに発表した内容によると、大型ネコ類の完全な頭骨化石としては最古で、これまでトラの祖先系統と考えられてきた化石より少なくとも50万年古いという。 この化石は著名なオーストリアの古生物学者にちなみ、「パンテーラ(属)ズダンスキイ(種)」と名付けられた。頭骨の長さは26.4センチで、全体の形はトラに似てがっしりしているが、前後方向に長く、大きな牙が目立つ。トラの体格は大型ネコ類の中でも最大だが、この化石種は比較的小柄なジャガーに近い。シカや野生のブタ、ウシ類を捕らえて食べていたとみられ、トラの祖先系統はこれらの獲物が大型化するにつれて体格が大きくなる一方、牙が相対的に小さくなったと考えられるという。トラの最古の祖先はこれまで、中国北部で化石が見つかり、1924年に学名が付けられた「パンテーラ・パラエオシネンシス」とみられてきたが、頭骨や顎などの形がヒョウに近く、トラの祖先ではないという 【時事通信社】

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