古代生物想像図鑑 (21/38)

中国北西部・甘粛省の白亜紀前期(約1億1000万年前)の地層から見つかった化石を基にした現在の鳥類の祖先に当たる「ガンスス・ユメネンシス」の想像図[米カーネギー自然史博物館提供]。中国地質科学院や米カーネギー自然史博物館などの研究チームが2006年6月16日付の米科学誌サイエンスに発表したリポートによると、現在のカモ類やアビ類、カイツブリ類などの水鳥に似ており、現在の鳥類とその直接の祖先を含む「真鳥類」が河川や湖沼、海岸で進化した可能性が高まった。 化石は、1980年代初めに脚だけ発見され、ガンスス・ユメネンシスという名前は甘粛省の地名を取って付けられた。今回、かつて湖だった地層から保存状態が良い五羽分の化石が見つかり、頭部を除くほぼ全身が判明した。羽毛や上半身の骨格、足の水かきから、水中に潜って魚を捕らえたり、水上から飛び立ったりしていたと推定された。鳥類は小型肉食恐竜から進化したと考えられている。研究チームによると、原始的な鳥類の主な生息場所は、陸上・樹上から水辺へ移った後、恐竜が絶滅した白亜紀末(約6500万年前)ごろには再び一部が陸上・樹上に戻った。環境の変化が原因とみられ、当時の気候を詳しく解明する必要があるとしている 【時事通信社】