古代生物想像図鑑 (25/38)
アフリカ・タンザニア南部の約2億4000万年前(三畳期中期)の地層から化石が見つかった小柄な新種ワニの想像図[マーク・ウィットン博士提供]。初期の恐竜に最も近い爬虫(はちゅう)類「シレサウルス類」で、この化石の発見によって恐竜の起源も従来の推定より1000万年以上さかのぼる可能性が浮上した。米ユタ大などの国際研究チームが2010年3月4日付の英科学誌ネイチャーに発表した。 スワヒリ語で祖先や古代を意味する言葉から、「アジリサウルス・コングウェ」と名付けられた化石は、少なくとも14頭分が見つかった。ほぼ全身が復元され、全長2〜3メートル、腰の高さが0.5〜1メートル、体重10〜30キロと推定された。4本の脚で歩き、下あごがくちばしのようにとがり、歯の形から草食か雑食とみられる。 恐竜は爬虫類の中でも、脚が胴体の横に張り出しているワニ類とは違って、脚が真下にあり、骨盤が独特な形で、主に後ろ脚の2本で直立して歩く種が多い。最古級の恐竜は、南米アルゼンチンの約2億3000万年前(三畳期後期)の地層から化石が見つかり、肉食とみられている。当時は地球上の大陸のほとんどが、一つの超大陸「パンゲア」にまとまっていた。シレサウルス類の化石はこれまでポーランドで見つかっており、三畳期は恐竜や近縁の仲間がパンゲアの広い範囲で共存していた可能性があるという 【時事通信社】