古代生物想像図鑑 (28/38)
モンゴル・ゴビ砂漠の白亜紀後期(約7500万〜7000万年前)の地層から出土した化石を基にした新種の鳥「ホランダ・ルセリア」の想像図[林原自然科学博物館提供]。化石はすね(17センチ)や足の甲に当たる中足骨(12センチ)など、後ろ足の膝から先端にかけての部分骨格で、林原自然科学博物館(岡山市)とモンゴル科学アカデミー古生物学センターとの共同調査隊が1997年7月に発掘。中足骨の特徴から、現生鳥類の祖先グループであるオルニチュウロモルファ類に分類されることが判明。また、第4中足骨が非常に短いことや、ひざの関節の形が特殊なことから新種の鳥化石であると分かり、ホランダ・ルセリアと命名。2010年2月にオランダの国際学術雑誌「白亜紀研究」で紹介した。 ホランダ・ルセリアは推定全長50センチ〜1メートル。非常に後ろ足が長く、飛ぶことはできるが、陸上を走り回り、地面に巣を作るタイプの鳥類の特徴を持っているという。白亜紀の鳥化石の多くは水辺の鳥で、陸上の鳥の発見はまだ6種類目。そのうち空も飛べて陸上で生活していたと推測される種の発見は初めて 【時事通信社】