古代生物想像図鑑 (15/38)
ロシア・シベリアのバイカル湖南東岸の約350万年前の地層から化石が発見された大型レッサーパンダの想像図[京大霊長類研究所の荻野慎太郎博士提供]。現在のレッサーパンダより約1.5倍の大きさだったと推定される絶滅種で、京都大霊長類研究所の荻野慎太郎博士やロシア南部科学センターのニコライ・カルミコフ博士らが、右下顎骨と大臼歯2個の化石を分析し、2009年11月21日までに日本古生物学会の英文誌に発表した。 この大型レッサーパンダは、上顎の臼歯から新種「パラアイルルス・バイカリクス」に分類された。化石の発見場所は当時、森林か草原で、現在より温暖だったとみられる。大臼歯2個は、かみ合わせ面が細かく複雑な形をしており、現在のレッサーパンダやジャイアントパンダと同様に、主に植物を食べていたとみられる。レッサーパンダは現在、中国・チベットなどの高山帯に1種(2亜種)しか生息しないが、スペインで約1500万年前の最古の化石が発見されているほか、500万年前以降は欧州、アジア、北米で少なくとも3属5種の化石が見つかっている。ただ、化石は断片的で数が少ない 【時事通信社】