古代生物想像図鑑 (18/38)
空を飛べる鳥類では史上最大級の鳥「アルゲンタビス・マグニフィセンス」の想像図[米科学アカデミー紀要提供]。南米アルゼンチンの約600万年前の地層から化石が発見され、米テキサス工科大などの研究チームが、ヘリコプター用のコンピューター・シミュレーションソフトを応用して復元骨格を分析したところ、自力で羽ばたいて飛び続けることはできず、主にグライダーのように滑空していた可能性が高いことが分かった。2007年7月4日までに米科学アカデミー紀要電子版に発表した。 アルゲンタビス・マグニフィセンスは、両翼を広げた幅が約7メートルと軽飛行機に近く、体重は約70キロで、かなり大きい動物を獲物にしていたとみられる。アルゼンチンのアンデス山脈のふもとや大草原地帯の計4カ所から化石が見つかり、骨や翼の形状、羽根の分析から、飛べたらしいことは分かったが、飛び方をめぐっては1980年代から議論が続いていた。研究チームは、現在のトビやハゲワシ、コウノトリ類とともに同ソフトで分析したところ、地上から羽ばたいて飛び立つのは無理と判明。下り坂を駆け下りながら、向かい風を利用して離陸し、上昇気流に乗って円を描くように上昇した後、滑空していた可能性が高いことが分かった。滑空中の「巡航速度」は時速67キロに達したという 【時事通信社】