古代生物想像図鑑 (19/38)

北極圏に位置するカナダ・デボン島の2400万〜2000万年前に湖だった地層から発見された化石を基にしたアザラシやアシカなどの鰭脚(ききゃく)類の祖先に当たる新属新種の想像図[英ネイチャー誌提供]。化石の動物は身体の長さが約1.1メートルと推定され、骨格の6割強がそろっていた。頭骨はアザラシ、体はカワウソに似ており、脚が陸上を歩くのに適した形である一方で、指の骨は平たく、水かきが付いていたとみられ、尾が長い。 学名は、アザラシを意味する先住民の言葉と、「種の起源」で知られる英自然科学者チャールズ・ダーウィンの名から、「プイジラ(属)ダーウィニ(種)」と名付けられた。海岸に生息する種が多い鰭脚類は、クマに近い動物から進化したとの説が有力だが、北極圏の湖沼は冬に凍結するため、餌の魚類を求めて海に進出した可能性があるという 【時事通信社】