古代生物想像図鑑 (34/38)
アフリカ北部モロッコの約9500万年前(白亜紀後期)の地層から見つかった化石を基にした新種のワニ「アエギスクス・ウィットメリ」の想像図[米ミズーリ大学提供]。米ミズーリ大などの研究チームが2012年2月2日までに米科学誌プロス・ワンに発表したリポートによると、頭は盾を伏せたように平たく、長い形をしており、河口近くの三角州で大きな口を開け、魚などをすくうように捕らえていたとみられるという。 アエギスクス・ウィットメリという名前は、盾やワニを意味するギリシャ語から付けられた。頭の長さは2メートル超と推定され、体全体は最長15メートル程度あった可能性がある。後頭部にこぶのような突起があり、異性にアピールしたり敵を脅したりするのに使っていたか、周囲の血管を通じて体温制御に利用していたと考えられる。 当時のアフリカ大陸は北方のユーラシア大陸との間が大きく離れており、現在の地中海を含む「テチス海」が広かった。恐竜が繁栄した時代だが、ワニ類も多様な種が多く生息したことが近年の化石調査で判明している。現在のワニ類の祖先は北米大陸に生息した可能性が高いと考えられてきたが、テチス海周辺に生息していた可能性が浮上したという 【時事通信社】