古代生物想像図鑑 (30/38)
約3000万〜1000万年前に生息していた哺乳類で、柱を束ねたような特徴的な歯を持つ束柱類に属する「アショロア」の想像図[足寄動物化石博物館の新村龍也学芸員提供]。画像右下に示してあるのは、アショロアの化石の断面図。 1976年に北海道足寄町(あしょろちょう)で初めて化石が発見されたことから、この名が付けられた。束柱類は、出土した化石から北太平洋沿岸に広く分布していたと思われるが、生態には多くの謎が残されている。大阪市立自然史博物館や独ボン大学などの研究チームはアショロアなどの化石の上腕骨や大腿(だいたい)骨など四つの部位の内部構造を、高解像度のコンピューター断層撮影(CT)スキャナーと顕微鏡で分析。現在の哺乳類60種類と比較した結果、水中で生活していた可能性が高いことを明らかにした。アショロアなどはジュゴンやマナティーのように緻密で重い骨を持ち、浅瀬で水中生活していたと考えられている 【時事通信社】