古代生物想像図鑑 (29/38)
約1万年前に絶滅したとされるマンモスの想像図[米ペンシルベニア州立大学提供] 。米ペンシルベニア州立大などの国際研究チームは、シベリア北部の永久凍土から発掘された1万2000年前から5万年前のマンモス10頭の毛から、細胞小器官ミトコンドリアのDNAを抽出し、高い精度で解読することに成功した。2007年9月28日付の米科学誌サイエンスに発表した。 従来の骨や筋肉からDNAを抽出する方法に比べ、毛は周囲が硬いケラチンに包まれ、細菌などのDNAの混入が少なく、劣化が進んでいないのが特徴。絶滅した動物の他の種との関係や進化過程をより正確に解明できるほか、DNA解析の対象がこれまでに成功したマンモスやマストドン、飛べない巨鳥モアなど以外にも広がると期待される。ミトコンドリアDNAを抽出・解読できた10頭の毛の中には、博物館に室温で約200年間保存されていた毛も含まれる。世界各地の博物館に保存されているさまざまな絶滅種の剥製(はくせい)の毛からも、DNAを抽出・解読できるかもしれないという 【時事通信社】