古代生物想像図鑑 (27/38)
ドイツの約1億4500万年前の地層から発見された化石を基にした最古級の鳥類「始祖鳥」の想像図[米サイエンス誌提供]。英マンチェスター大などの研究チームが羽根の部分を分析したところ、始祖鳥や初期鳥類の「孔子鳥」は、現在の鳥のように翼を羽ばたかせて飛び続けることはできず、主に滑空していた可能性が高まった。2010年5月14日付の米科学誌サイエンスに発表した。 鳥類は羽毛が生えた小型肉食恐竜から進化し、最初は4本の脚が翼に変わった4翼で樹上などから滑空していたが、次第に前の2翼が大きくなり、やがて羽ばたいて飛ぶようになったと考えられている。始祖鳥や孔子鳥は、翼を動かす筋肉が付く胸骨がまだ十分発達していなかったが、ある程度羽ばたいて飛べたという見方もあった。研究チームは、翼で主要な役割を果たす風切り羽根の長さと軸の太さを計測し、現在のユリカモメやモリバトなどと比較。化石の始祖鳥と孔子鳥は、風切り羽根の長さが平均して12.9センチと20.7センチ、軸の直径が0.75ミリと1.06ミリで、羽ばたいて飛ぶには強度が全く足りないことが分かった。力強く羽ばたいて飛ぶ鳥の出現は、孔子鳥より後の時代になるという 【時事通信社】