古代生物想像図鑑 (20/38)

ニュージーランドに生息した巨大な「ハーストワシ」(左)が、飛べない巨鳥「モア」を襲う想像図[ジョン・メガハン氏提供]。ハーストワシは両翼を広げた幅が2〜3メートル、体重は10〜15キロあり、中南米に現在生息する世界最大のワシより3〜4割大きい。ニュージーランドに生息した飛べない巨鳥「モア」(体重最大200キロ)を獲物として繁栄したが、先住民のマオリ族の祖先が流入してきて絶滅した。 1872年に初めて化石が発見され、英オックスフォード大などの国際研究チームが骨の化石のDNAを分析したところ、ワシ・タカ類のうち大型のイヌワシ属ではなく、世界最小級のヒメクマタカ属に最も近いことが分かった。2005年1月8日までに、米生物学誌プロス・バイオロジーの電子版で明らかにされた。周囲から隔絶した島では、生物が特異な進化を遂げることがあるが、祖先の小さいタカが約100万年前にニュージーランドに住み着いた後、地上に敵となる哺乳(ほにゅう)類がいない環境で、10〜15倍も大きくなったことになる。地上の脊椎動物では空前の巨大化だという 【時事通信社】