古代生物想像図鑑 (17/38)

オーストラリアの中新世中期(1500万年前ごろ)の地層から発見された化石を基にした有袋類の想像図[米プロス・ワン誌提供]。同国のニューサウスウェールズ大などの研究チームにより、この有袋類の体重が推定約70キロもありながら、現代のコアラのように樹上で暮らしていた可能性が高いことが分かった。2012年12月8日までに米科学誌プロス・ワンに発表した。  同国北東部クイーンズランド州には哺乳類の化石が多数発見され、世界遺産に登録されている地域があり、この地域の洞穴から化石が見つかった。当初は主に歯の分析から、現代のウォンバットのように地上で植物を食べていたと考えられた。しかし、全身の骨格を詳細に調べたところ、肩や肘の関節がよく動くほか、足が大きく、かぎ爪で木の枝にぶら下がりやすかったとみられることが分かった。オーストラリアでこれまで化石が見つかった樹上で暮らす哺乳類の中では、最大と考えられるという 【時事通信社】