サッカーの女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会は27日、エドモントンなどで準々決勝が行われ、前回ドイツ大会優勝の日本代表(なでしこジャパン)はオーストラリアを1−0(前半0−0)で下して2大会連続のベスト4進出を果たした。 序盤からパスを回して主導権を握った日本は後半42分、左CKを起点に相手ゴール前に攻め込み、混戦から途中出場の岩渕真奈が決めて決勝ゴールを挙げた。対戦成績は日本の10勝7分け5敗となった。日本は7月1日(日本時間2日)に同地で行われる準決勝でイングランドと対戦する。もう一方の準決勝は米国とドイツの顔合わせ。 後半42分、左CKのこぼれ球から宇津木瑠美、岩清水梓のシュートがブロックされた後、粘った岩清水が送ったボールを、後半27分から出場していた岩渕が蹴り込んだ。最年少22歳の岩渕のW杯初ゴールが貴重な決勝点となった。 得点には手間取ったが、内容は快勝だった。序盤からボールを素早く回し、対応に追われたオーストラリアを疲労させ、相手の売り物であるスピードを奪っていった。ボール支配率60%、シュート数も15−8。8本獲得したCKからゴールが生まれた。 いずれも1点差ながら、5連勝で4強入り。佐々木則夫監督は「なかなか点が入らない難しい展開だったが、選手たちがゲームプランの狙い通りに良くやってくれて、最後まで崩れなかった。ボールを動かしながら、粘り強く最後は仕留めてくれた。(決勝点は)根気強いなでしこのサッカーが実を結んだ」と満足げ。勝負を決めた岩渕は「時間がない状況だったので、とにかく点を、と思って入った。(ゴールは)素直にうれしい。みんなが頑張ってくれた90分だったので、チームに貢献できてよかった。これからも大事なところで決められる選手になりたい」と声を弾ませた。日本は今大会の7得点を、すべて違う選手がマークしている。 宮間あや主将は「何度もCKが取れていたし、入る気がした。みんなたくましいし、頼れる仲間。ここからは気持ちの強い方が勝つ。W杯を取りに来ているので、もう一度気を引き締めたい」と力強く振り返り、危険地帯での守備、攻撃へのつなぎで大きく貢献した宇津木も「厳しい試合だったが、最後は気持ち。日本の技術は世界に通用すると感じた。(準決勝へ)体と心をクリアにして、集中し直したい」と会心の笑みを浮かべた。 サッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会準々決勝・オーストラリア戦の後半、決勝ゴールを決めて喜ぶ岩渕真奈(左から3人目)ら=カナダ・エドモントン(2015年06月27日) 【時事通信社】