サッカーの女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で、世界ランキング4位の日本(なでしこジャパン)は1日、エドモントンで行われた準決勝で同6位のイングランドに2−1(前半1−1)で競り勝ち、2大会連続の世界一に王手をかけた。5日(日本時間6日)にバンクーバーで行われる決勝で、世界2位の米国と対戦する。 日本は前半33分、宮間あやがPKを決めて先制したが、同40分にPKを献上して追い付かれた。同点で迎えた後半は相手の攻勢を受ける苦しい時間帯をしのぐと、ロスタイムに川澄奈穂美の右からのクロスが相手オウンゴールを誘い、決勝点を奪った。 米国は過去2度のW杯優勝を誇り、日本とは2012年ロンドン五輪を挟んで世界大会3大会連続の決勝対決となる。過去の対戦成績は日本の1勝6分け23敗。W杯ドイツ大会は日本がPK戦を制し、ロンドン五輪では日本が1−2で敗れた。 終了間際に勝ち越し点を奪い、いずれも1点差で6連勝。この日もしぶとく勝利を握り、佐々木則夫監督は「最後は、本当にみなさんに後押ししていただいたゴール。思ったより前回の疲労が重なっていて、一人一人のプレーの質がもうひとつだった。勝とうという思いがプレーにつながった」と振り返り、「ファイナルはミスを恐れずにやらせてあげたい。サッカーを楽しんで、日本のみなさんに元気を伝えられれば」と決勝への意気込みを語った。 宮間主将は先制のPKを落ち着いて決め、「とにかく優勝だけを考えてきた。チームの力だと思う。(最後は)相手にはアンラッキーなゴールだったが、気持ちで押していたんではないかなと思う。チーム全員の力。チーム一丸となって頑張ることができている。(優勝は)気持ちの強い方だと思う。(五輪の)金メダルは持って行かれているので、W杯は渡さない気持ちでやりたい」と連覇をにらんだ。 右からの絶妙な位置へのクロスが相手オウンゴールを誘った川澄は「やっと決勝まで行くことができる。ほっとしている。(クロスの場面は)仕掛ければいいボールを上げられると思った。中にしっかり岩渕選手と大儀見選手がいてくれたのでああいう形になった。全員で結果を出せたのがよかった。(決勝は負傷している)安藤(梢)選手もバンクーバーに来られるみたいなので、23人全員で戦いたい」と世界大会3大会連続となる日米決戦へ、意気込んだ。 思い切りのいい攻め上がりで、先制PKにつながる反則を誘った有吉佐織は「ほっとしている。あのシーンは、阪口にボールが入った瞬間に裏を取るタイミングがあるので、ベレーザ(の同僚として)のあうんの呼吸というか、パスが出てくるなと思ったので、思い切って飛び出してみた。1試合1試合チームとして成長できていると思う。またチームとして思い切りプレーしたい」と声を弾ませた。 サッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で2大会連続の決勝進出を果たし、観衆の歓声に応えるなでしこジャパンの選手たち=1日、カナダ・エドモントン(2015年07月01日) 【AFP=時事】