サッカー女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会の表彰式に臨んだなでしこジャパン(日本女子代表)の選手たち。米国に2−5(前半1−4)で敗れ、連覇はならなかった。 日本は開始3、5分に失点。予想に反してゴール前に低いボールを蹴ってきた米国のセットプレーに対応し切れなかった。その後も、岩清水梓のクリアミス、前に出ていたGK海堀あゆみのポジショニングを突かれ、同14、16分にも失点。早めに攻撃選手を続々投入する佐々木則夫監督の思い切った采配も、前半の大儀見優季、後半の相手オウンゴールで2点を返すにとどまった。 選手たちは最後まであきらめずに戦い、ボール支配率は52%−48%、シュート数も12本−15本と食い下がったが、序盤の大量失点が重くのしかかった。 日本は決勝で今大会初黒星を喫し、初の複数失点。米国から2点以上奪ったのは、日本が初めてだった。米国は大会最優秀選手(MVP)に輝いたMFカーリ・ロイドが決勝でハットトリックの活躍。地元で開催した1999年以来、4大会ぶり、最多3度目の優勝となった。 佐々木則夫監督は「立ち上がり気を引き締めていればというところがあるが、最後の最後までみんなよく走ってくれた。選手を誇りに思っている」と決勝を総括。「チャンピオンとしてプレッシャーがあるなかでこのステージまで上がってきた選手はよくやってくれた。ファイナルまで来たことは、まずは成功と思っている。若い世代もまた入ってきて、パワーアップすることが大事。きょうは結果は出なかったが、最後まで走り切る姿を見せられた。選手たちと、ここまで楽しくサッカーを積み上げてこられて幸せだった」と振り返った。 チームをまとめた宮間あや主将は「応援してくださったみなさんに申し訳ない。優勝と準優勝は違う。チームを勝たせることができなかったのが悔しい」と厳しい表情を浮かべながらも、「みんな最後までよくやった。後悔はない。自分がやれることはすべてやった。みんな文句も言わずW杯を取るために努力してきた。難しい試合だったが、チームのために戦えた。なでしこはまだまだ続いていく。みなさんに応援してもらえるチームになれるように頑張る。得たものは、最高の仲間だと思います」と満足感も示した。 これが最後のW杯と公言している澤穂希は劣勢の展開で前半33分から出場。後半には相手ゴール前に飛び込んでオウンゴールを誘った。「早い時間帯に連続で取られたのが痛かった」と言いながらも、「持っている力は出し切ったと思う。(最後のW杯と臨んで)悔いなく、やり切れた」と納得顔で振り返った。 ゴール前で体を反転させて見事なシュートを決めた大儀見は「立て続けに失点してしまった。チームとしても個人としても力不足を感じた」と言いながらも、「最後まであきらめずに戦えた」と振り返った。大会を通じて奮闘が光った宇津木瑠美は「力を出し切った結果が2位。世界2位ということに誇りを持ちながら、結果をしっかり受け止める。できた部分もあったが、また課題が見つかった」と今後をにらんだ=5日、カナダ・バンクーバー(2015年07月05日) 【時事通信社】