【野球】「沢村栄治賞に輝いた投手」先発完投型のエース (46/49)
別所毅彦(南海、巨人) 兵庫県出身。旧制滝川中時代から剛球で知られ、1941年の春の甲子園ではけがを押して投げて惜敗、「泣くな別所」とたたえられた。42年に南海軍入団。43年、大和軍を相手にノーヒットノーラン達成。47年には55試合に登板して47完投という驚異的なスタミナを見せ、リーグ最多の30勝(19敗)、191奪三振、防御率1.86をマーク。投球回は実に448回3分の1に及び、この年制定された沢村賞の初代受賞者となった。 いわゆる別所引き抜き事件があり、開幕から2カ月間の出場停止という条件付きで49年に巨人移籍が認められた。55年にリーグ最高の防御率(1.33)をマークして2度目の沢村賞を受賞した。52年に33勝13敗、56年にも27勝15敗で最多勝。60年の引退まで310勝178敗、防御率2.18の成績を残した。79年、野球殿堂入り。写真は55年の日本シリーズで最高殊勲選手(MVP)に選ばれて喜ぶ巨人時代の別所投手【時事通信社】