【野球】「沢村栄治賞に輝いた投手」先発完投型のエース (26/49)
大野豊(広島) 島根・出雲商高を出て出雲市信用組合に就職。所属した野球部は軟式だったが、広島の入団テストを受けて合格、1977年にドラフト外で入団した。1年目は1試合だけ投げて5失点し、防御率135.0という成績で終了。しかし中継ぎ登板で年を追うごとに力を付け、82年には10勝7敗、11セーブをマーク。84年に先発転向。88年には勝ち星が13勝(7敗)にとどまったものの最優秀防御率(1.70)のタイトルを獲得し、沢村賞を受賞した。 下半身を深く沈めてタメをつくり、体全体を使うフォーム。カーブとシュートのほかに、敬愛した江夏豊から伝授された「スラーブ」、チェンジアップ、パームボールなど変化球を増やしていった。91年から94年までは抑えで活躍し、2度のセーブ王に輝いた。98年には42歳で開幕投手を務めたが、持病の血行障害が悪化し、そのシーズン限りで引退した。通算148勝100敗、138セーブ、防御率2.90。2013年に野球殿堂入り。写真は98年9月撮影【時事通信社】