【野球】「沢村栄治賞に輝いた投手」先発完投型のエース (32/49)
小林繁(巨人、阪神) 鳥取・由良育英高から社会人の全大丸を経てドラフト6位で1973年に巨人入団。4年目の76年に18勝8敗、防御率2.99の好成績を収め、チーム3年ぶりの優勝に貢献した。77年も前年と同じ18勝8敗、防御率2.92の好成績で沢村賞に輝いた。投球回は216回3分の1、奪三振155だった。 巨人が野球協約の盲点を突く形で江川卓と入団契約を交わした「江川事件」のあおりで、79年に阪神に移籍。その年に22勝(9敗)を挙げて最多勝。17完投、投球回(273回3分の2)ともにリーグ最高成績で、2度目の沢村賞を獲得した。腰をすっと沈めてタメをつくり、アンダースローから力投。江川事件以来ついて回った「悲劇のヒーロー」というイメージもあいまって、細腕のエースは人気があった。阪神移籍以降、5年続けて2桁勝利をマークしたが、13勝(14敗)を挙げた83年を最後に現役を退いた。通算成績は139勝95敗、17セーブ。防御率3.18。写真は81年5月撮影【時事通信社】