2023.01.17 スポーツ

【野球】「沢村栄治賞に輝いた投手」先発完投型のエース (41/49)

村山実(阪神) 兵庫・住友工高から関大を経て阪神入団。1年目の1959年から先発陣の一角に加わって18勝(10敗)を挙げ、最優秀防御率(1.19)のタイトルとともに沢村賞に輝いた。苦しそうに表情をゆがめながらダイナミックに投げる姿から、ヘルシンキ五輪のマラソン覇者エミール・ザトペックになぞらえて「ザトペック投法」と称された。 オーバーハンドからサイドハンドまで三つの角度でフォークボールを投げるため「三段フォーク」と呼ばれた。65年は25勝13敗、66年には24勝9敗の好成績をマークして2年連続で沢村賞を獲得。両シーズンともにリーグ最多の投球回を記録し、最多奪三振のタイトルを手にした。 59年6月の天覧試合で巨人と対戦して長嶋茂雄に左翼ポール際にサヨナラ本塁打を打たれたが、晩年まで「あれはファウル」と語っていた。70年から選手兼任監督となり、72年に引退した。背番号11は永久欠番となった。長嶋を最大のライバルとし、闘志を燃やし続けた沢村賞3度の「ミスター・タイガース」。通算成績は222勝147敗、防御率2.09。93年に野球殿堂入り。写真は73年3月撮影。巨人の王貞治選手と対戦する村山投手【時事通信社】