【芥川賞・直木賞】受賞作家 (31/105)

取材に応じる佐藤正午さん=2017年6月29日、長崎県佐世保市【時事通信社】 第157回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日夕、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は沼田真佑さん(38)の「影裏(えいり)」(文学界5月号)、直木賞は佐藤正午さん(61)の「月の満ち欠け」(岩波書店)にそれぞれ決まった。 沼田さんはデビュー作、初候補での受賞。物語は、岩手県に転勤した「わたし」が釣りを通じて、懇意にしていた同僚との交流を描く。彼は突然退職し、東日本大震災をきっかけに消息不明になるが、その父親から意外な人間性を知らされる。 佐藤さんは作家デビュー34年を経て、初候補で遅咲きの受賞を果たした。作品は生まれ変わりをモチーフとした恋愛長編小説。昭和から現代にかけて、数奇な運命に導かれた3人の男性と1人の女性の人生の交錯を描き出す。