2019.09.02 スポーツ

【男子テニス】錦織圭 (312/440)

テニスの全仏オープン男子シングルス準々決勝で、アンディ・マリー(英国、左)に敗れた錦織圭=2017年6月7日、パリ【AFP=時事】 テニスの全仏オープンは7日、パリのローランギャロスで行われ、男子シングルス準々決勝で第8シードの錦織圭(日清食品)は第1シードのアンディ・マリー(英国)に6―2、1―6、6―7、1―6で逆転負けした。1933年大会の佐藤次郎以来、日本男子84年ぶりの準決勝進出はならなかった。両者の対戦成績は錦織の2勝9敗となった。 センターコートに立った錦織は、神懸かったプレーを見せていた。世界1位のマリーが時折返す甘い球を逃さない気迫にあふれ、強気のショットで思った通りのコースを打ち抜いた。本人も「これ以上はない」と自賛したほどの完璧な立ち上がり。第1セットを奪い、会場を大いに沸かせた。 しかし、勢いは続かない。第2セットは第1サーブがわずか26%。リターンが得意な相手に反撃された。第3セットは冷静さが求められるタイブレークで凡ミスを重ね、1ポイントも取れずに落とした。「一番、悔いが残る」。偽らざる思いを口にした。 第4セットは先にブレークしながら、自分のサービスゲームを一つもキープできず、本調子ではなかったマリーに勇気を与えた。世界67位の鄭現(韓国)に辛勝した3回戦後、「試合を通して集中力が100%持続できない」と漏らしていたが、格上に対しても同じ過ちを繰り返した。 4強入りした昨年の全米オープン以来となる四大大会の8強入り。万全でない体調と闘いながら、力強さは示した。だが、トップランカーを大舞台で破るには、足りない物がある。「きょうは自分に原因があったかもしれない」。27歳は苦さを味わった。(パリ時事) 四大大会で3度目の4強入りを逃した錦織圭が記者会見で質問に答えた。一問一答は次の通り。 −試合を振り返って。 第1セットはやるべきことを的確にできた。これ以上ないような内容。第2セットから少し攻め急いでしまった。もう少し集中してプレーの質を持続させるべきだった。敗因は、どちらかというと自分にあったかもしれない。 −攻め急いだ原因は。 やるべき戦術が徐々にできなくなり、マリーの球が深くなってきた。相手のレベルが確実に上がってきて耐え切れなくなり、自分が無理をした。 −第3セットはタイブレークを落としたが。 簡単なミスが最初に続いて、0−3になってからネガティブになった。集中力が欠けていた。 −自分の体調についてはどうか。 (4回戦の)ベルダスコ戦が一番きつかった。3回戦も体にすごく痛いところがありながら、やっていた。きょうはだいぶ良くなっていた。戦いながら回復できているのは、体が強くなっている証拠だと思う。 −四大大会初制覇への課題は。 負ければいつでも課題はある。でも今大会はポジティブな面もあった。クレーコートのシーズンでいい準備ができない中、いいプレーが戻ってきていた。(時事)